忘れやすい日々のための映画ブログ

忘れっぽいので、過ごした日々・趣味の時間を大切にしていきます。

会社は人で回ってる/マイ・インターン

アン・ハサウェイ主演+劇場ポスターの感じから、
勝手に「プラダを着た悪魔」のような小気味よい作品を想像。
期待して観に行ったのですが、期待通り楽しめました。

一言で言えば、心穏やかになれる作品。

デート向けという感じはなく、お一人様もOK。
50代のご夫婦に挟まれ、ひとり鑑賞。鑑賞の年齢層は幅広かった。

以下ストーリー

華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていくー。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!(公式ページより)

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以下ネタバレ感想。

この作品には嫌なやつがひとりも出てこない
デ・ニーロ演じるベンは漢の中の漢というか、女性の理想であり、男性の理想(少なくとも僕はこんな器の大きい人間かつ妻に先立たれても沈まずチャレンジし続ける人間で有りたいと思った。もしくは沈まないためにチャレンジしつづけなければいけないのかもしれないが)。
ジュールズの補佐的(CFOなのかな)なキャメロンも会社やジュールズのためを思って動く。
嫌なやつになるかと思われた飲酒運転手も、察して引いてくれて、なぜか勝手に失踪してくれる(笑)
他にも素直で気の良いベンの家に居候するインターンやベンに恋人との仲直りの仕方を請う若手、PCの使い方を教えてくれたり、素直にアドバイスを受け入れる若手など、絶対この会社うまくいくだろ!急成長間違いなし!って要素が満載。

強いて嫌な奴というかダメな奴をあげればジュールズの夫。
「(君が仕事が忙しくて)寂しかったんだ(だったか、辛かったんだ、だか)」のお決まりの台詞とともにかわいい娘をベンにあずけて浮気するような糞野郎だけど、「プラダを着た悪魔」のミランダのような強烈な嫌味も言わないので(夫婦間のちょっとした小競り合い程度)、霞むくらいのキャラ(ちなみにミランダはラストの微笑みで悪い人じゃないってのがわかって、大好きなキャラの一人です)。

そんな夫とジュールズ2人のぎこちない関係性&ジュールズがすごすぎるので会社のメンバーがついていけないので外部からCEOを迎えるか迷う、という2軸で物語が走る。
ジュールズは一代で会社を築き上げた超人だが、やはり人間なので悩む。
ジュールズが夫との関係で悩むシーンでは「私は気難しいし、夫は仕事ができるのに辞めて家庭に入ってくれた。彼と別れたら(再婚は難しいので)私の入るお墓がない涙(確かこんな感じだった)」と自分の性格を踏まえて話をしていて、非常に好感が持てた(決して浮気したやつだけが悪いとは言わない)。
そこに人生を70年生きてきたシニアインターンのベンが現れ、うまい具合にフォローしていく。本当に見ていて気持ちいいくらいにさりげないフォロー。
老害だなんだと言われるようなシャシャリでて説教かますような感じじゃない。
一方的で押し付けがましいと感じる瞬間がない。
あくまで相手の立場で、タイミングを見ながら、相手に気付かせ、相手に話をさせる(これが本当のリーダーシップだよなあ、と痛感)。
でも彼の座右の銘でもある「正しい行いは迷わず行なう(by マークトゥエイン)」そのままに、相手に伝えるべきは伝える。こんなシニアインターンがいたら、どこの会社でも採用だろう。いややっぱ採用したこの会社が素晴らしいというべきか。
とにかく前述の通り、ベンは惚れ惚れするような良い男なので、会社のマッサージ師として働くフィオナともちゃっかりできているが、それも頷ける。本当に良い会社でこんなところがあったら一緒に働きたい。会社は人が動かしている。人そのものだ、と改めて実感。

また明日から仕事頑張ろう、そんな風に思える映画。