重さと軽さと強引さ/キャプテンアメリカ・シビルウォー
観るか観まいか迷った。4回も。
判断材料に使っている映画.comの評価が4点を超えていた(5月10日時点)ので、
レイトショー@天神ソラリアで鑑賞(1,400円)。
キャプテンアメリカとアイアンマンが対峙しているポスターの通り、
アベンジャーズが二分される展開。
結論、うーん、3点(5点満点中)。
注意点としてはアイアンマン、アベンジャーズ、アントマン、スパイダーマンなどの
関連作を観ておかないと楽しめない、ということ。
特にアベンジャーズは過去作全部観ておかないと、「?」があたまを駆け巡る。
以下ネタバレ感想。
この映画を「ダークナイト」足らしめなかったのは、その強引さ、だと思う。
①アイアンマンとキャプテンアメリカはアベンジャーズのあり方について意見が対立。
アベンジャーズは国連の管理下に置かれる、という趣旨の協定が結ばれるという話がでる。すでに100カ国以上が賛成しており、アベンジャーズにも賛同が求められる。
ここで意見がわかれる。
アイアンマンの主張:国連というきちんとした組織の管理下で必要に応じて出動すべき
上記に至った経緯→息子を失った女性官僚からの批判、自分の彼女からの批判
キャプテンアメリカの主張:国連の管理下では身動きが取れなくなる。手遅れになる。
上記に至った経緯→ペギーの葬式での信念の話
アイアンマンの主張もわかるし、キャプテンアメリカの主張もわかる。
しかしここで確かアイアンマンが「アベンジャーズが出て来てから、出てくる敵のレベルもあがった」的な発言がでる。
つまり、アベンジャーズが世界を守るとそれ以上の力を持ったモノたちが登場して、
いたちごっこの破壊行為で地球がダメになってしまう。だから、いないほうが良いという意味合いである。
これはめちゃくちゃな話だが、彼らの住む世界では事実なのかもしれない。
どちらかというと、問題はアベンジャーズは国連の管理下に置かれるべきという話に、
議論の余地がなく、彼らの功績<彼らの破壊行為と世界が考えているということ。
事実、100カ国以上が賛同している、ということである。
アベンジャーズは敬意や名誉を求めていた訳ではない、と思う。
ただ、与えられた力で世界を救わなければと思っているだけだ。
もちろん反省すべき点は多数あるだろう。民間人を巻き込みまくっているのだから。
でも議論の余地はなく、アイアンマンはどうでも良いような理由でキャプテンアメリカと対立する。
②アイアンマンの両親の死の真相
冒頭に仮想現実?で過去の記憶を映し出すシーンがでてくる。誰の過去かと言えばアイアンマン。
両親が出張に出かけて、事故で帰らぬ人になったという悲しいシーンである。
「こんな別れが出来れば良かったけど」と、きちんと見送りをしかなったことを後悔しているようだった。
これは伏線で後半に死亡理由が出てくる。
それはウィンターソルジャーによって殺されていた、というものだ。確かにこれは映画だが、あまりに強引ではないか、と思ってしまった。
・1991年の監視カメラ映像をどうやって見つけたんだよ。
・しかも農道みたいなところになんでカメラがあったの?
という2つの疑問があたまを巡って興ざめ。
そしてここでもキャプテンアメリカとアイアンマンが対立する。
アイアンマンの主張:親を殺されて黙ってられるか。
キャプテンアメリカの主張:ウィンターソルジャーは洗脳されていたので、本来の彼ではない。過去は変えられない。
どちらの主張も分かる。しかしここでもほぼ議論の余地はない。
とはいえ「アリスのままで」のように『記憶がなければ本人ではないのか』という話になってしまうが。
とにかく、こんなことでいちいち仲違いしているような関係だったら、
アベンジャーズは存在しない方が良いのかもしれない。
対照的に同じく身内を殺されたブラックパンサーが大人に描かれている。
ラストはいい感じで終わらせようとしていたが、こんな組織解体すればええやん、本気でそう思ってしまった。