環境で人は変わる?/チャッピー
ニールプロムガンプ監督の3作品目の本作。
1作目の「第9地区」はザリガニのような宇宙人の話でしたが、
本作は人工知能を搭載した警察ロボットを扱った作品。
ストーリー
2016年、南アフリカ。ディオン(デヴ・パテル)は、世界初の自身で感じ、考え、成長することができる人工知能搭載ロボットのチャッピーを開発する。しかし、世界でも有数の危険地帯ヨハネスブルクに巣食うストリートギャングにチャッピーと一緒に誘拐されてしまう。起動したばかりで子供のように純粋なチャッピーは、ストリートギャングのメンバーたちと接し、彼らから生き抜くためのスキルを学んでいく。圧倒的スピードでさまざまな知識を吸収していくものの、バッテリー残量が5日分しかなく……。(シネマトゥディ)
一言感想。
生まれた場所、周囲の環境、人によって人格は作られる。
以下ネタバレ込みで感想。
▼チャッピー誕生
舞台はヨハネスブルク。南アフリカの殺人の6割が起きる都市だそう。。。
そんな街なので警察も襲われる。ということでロボット会社に勤めるディオンは人型警察ロボットを開発。街の治安はある程度守られることに。
しかしディオンは満足せず、仕事の傍ら人工知能を研究しつづけ、ついに開発に成功。
会社の上司に搭載を提案するが、不安定だし、ビジネスは上手く行っているのでリスクを取らないと判断し、却下。
ディオンはあきらめずに廃棄予定だった警察ロボットへ人工知能を搭載することでチャッピーは生まれる。ロボットに人間と同じように息吹を与えたディオンは神となる。
劇中で「僕は君のメーカー=創造主」とチャッピーに伝えるシーンがある。
▼周囲の環境
しかしディオンはギャングに拉致されてしまう。
ギャングたちは親玉たちから狙われており、チャッピーを使い金を作ろうとする。
チャッピーはギャングのアジトである廃墟の巨大工場?のような場所でで産声を上げる訳だが、言葉も理解できない赤ちゃんの状態。
ギャングのニンジャ&ヨーランディー夫妻に汚い言葉や銃の使い方を習い、
かわいい子には旅をさせろとばかりに路上に放り出されてひどい目にも合う。
次第に言葉から世の中の仕組みを理解。夫妻をパパ、ママと呼ぶように。
ディオンの意図とは別だったが、確実に成長を遂げる姿に、チャッピー頑張れ!と応援したくなる。
ギャングたちはとんでもない犯罪者なのだが、悪い人たちではなく、
一生懸命生きようとする人たちに見えてくる。
不思議なことにこの家族?を応援したい気持ちすら生まれて来た。
またディオンは「人を殺しちゃだめだ」と最初にチャッピーへ伝える。
▼驚愕の事実
しかし驚愕の事実が判明。チャッピーのバッテリー寿命は5日間しか持たない。
チャッピーはディオンに「なんでこんなことをしたんだ!」と怒る。反抗期。
ボディを入れ替え、生きるための金を作るべく、ニンジャと人を襲う。
ニンジャから「あいつらは俺の車を盗んだ奴ら」と聞かされ、それを疑うこと無く信じる。ここら辺でもまだまだ子供で成長過程ということがわかる。
生きるために犯罪の片棒を担ぐチャッピーだが、ディオンに言われた「人を殺さない」というのは守る。
その後、金は手に入れたが、意識を移すことはできなという事実を知るが、
なんとかして方法を見つけ出す。ラストではディオンもヨーランディーも死に、
ロボットへ意識を転送して、生きることになる。
▼で、なんなの?
チャッピーは赤ちゃんだった。
それがディオンやニンジャ夫妻と生活することで自我を確立し、成長していく。
チャッピーが生まれた場所の環境は最悪だった。生きるためには犯罪も犯さざるを得ない。親がやっているように。
でもディオンに言われた「人を殺さない」というのは守ることができた。
人(本作では人工知能)は周囲の環境や人に大きく左右されることは間違いない。
ただ、自分の中に自分なりのの判断基準を持つことは出来るし、それを守ることはできる。
そんなことを教えてもらったような気がする。