忘れやすい日々のための映画ブログ

忘れっぽいので、過ごした日々・趣味の時間を大切にしていきます。

エンドなのに終わらない作品/エンドオブステイツ

あなたはマイクバニングを知っていますか? このご時世に3作続く「エンドオブ」(Fallen)シリーズの主役です。演じるのはジェラルド・バトラー

1作目である「エンドオブホワイトハウスOlympus has fallen)」を観たときは、同時期に出た「ホワイトハウスダウン」の方が面白く感じられたものです。理由はわかりません。無意識にチャニングテイタムの人間ぽいキャラとジェラルドバトラーの人間離れした強さの比較をしていたのかもしれません。比較は良くないですよね。比較されて嬉しい人なんていませんし。

 

というのはさておき、公式サイトでも押しているアメリカの批評サイト「Rotten Tomatoes」での本作のオーディエンス評価は93%(2019/11/24現在)。ちなみに1作目は66%で、2作目は51%でしたので93%というのは相当に良い数字です。

www.rottentomatoes.com

 

▼ネタバレ感想

個人的な面白さはキングダム>ホワイトハウス>ステイツ(エンドオブ省略)です。荒唐無稽のレベルがそのまま面白さになってます。

キングダムは、かつて世界を荒らし、征服をしていたイギリスの首都があんなに簡単に攻め落とされる展開に「ねーだろ! でもおもろい!」という評価。スコットランドヤードの無能さ全開で、マイクバニングいなかったら終わってたやん(大統領が)、というイギリスをコケにしてます。

ホワイトハウスも冒頭から「どうやってその飛行機盗んだんや」とか「重機関銃持ってる奴らに1階で立ち向かうな。上から狙撃しろよ」とか思いながらも、おもろい。

本作も、簡単に大統領命狙われ過ぎてるし、バニングはそんなに信頼感ないのかよとか、民間軍事会社全力で来いよ! 全兵力で来いよ! てか端金で命かけんのかよ!とか思いながらも一番ありそうでなさそうで荒唐無稽さが足りないです。

 

私の感想はRottenの評価に反しますので、アメリカ人と議論してみたいものです。

 

そしてエンドオブシリーズ完結と思いきや、完結しない模様。あと3作やるらしく、TVシリーズもあるそうです。詳しくはwikiを参照ください。

en.wikipedia.org

 

 

時は流れても/ゾンビランドダブルタップ

21時半過ぎの「エンドオブステイツ」を友人と観る予定があるのに18時過ぎに早めに仕事終了。暇を持て余してしまったのでカツカレー食べる。スケジュール表を見ると、ちょうど良いタイミングで「ゾンビランドダブルタップ」の記載が。え、これってあの続編?! と驚きつつ役者見ると10年前と変わっていない。てかエマストーンてこれに出てたのか、という衝撃を受けつつ映画館へ。終了時間がエンドオブステイツの開始4分前なのでチケットを購入。

 

ストーリーはあって無いようなものではありますが、テーマは家族っぽかったです。

観て損はないです。過去作観てるとより楽しめます。映画館は笑いに満ちていました。

 

公式サイトを観て驚い他のは脚本家がデッドプールを書いていたということ。

レットリースさんと読むのでしょうか。

en.wikipedia.org

 

ちなみにNetflixで12/13配信の「6アンダーグラウンド」の脚本も書いている模様です。

www.netflix.com

 

▼ネタバレ感想

テンポよし、脚本よし、キャラよしの三拍子揃った良い作品でした。常に笑いを起こさせることを考えて、役者もそれを理解して演じていて、ここまでチームワークが伝わってくる作品と出会えると嬉しさ倍増です。

もっとも良い味でしていたのが、マディソン役のゾーイ・ドゥイッチ。おバカキャラを完璧に演じきっているのはもちろんなのですが、不快感が一切ない。これはすごいことです。

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ゾーイ

メイク違いだとやはり別人のようです。

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ゾーイ

24のキムバウアーは吹き替えとジャックをもろに邪魔する行為も相まって最高に不快感を与えてくれました。それが狙いだとは思いますが、マジでイライラが止まらない。これまでゾーイといえばサルダナだった私に新たなゾーイが追加されました。

そしてさらなる衝撃は母親があのリー・トンプソンだったこと。バックトゥザ・フューチャーのマーティの母親役ですね。親父さんに「将来あんな子供産んだら勘当だぞ」と言われて自分の息子であるカルバンクラインことマーティに恋するあの方です。

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2ショットの写真がありました。似ていますね。

話が逸れましたが、良い作品。ゾーイドゥイッチ に注目です。

何が幸せなのか/アップグレード

なんか面白いのないかな〜と探していて行き着いた本作。土曜日の昼に鑑賞。私は上映前にストーリーは観ないですが、すでに観たので皆様のために貼っておきます。

近未来。グレイ・トレイス(ローガン・マーシャル=グリーン)は妻のアシャ(メラニー・バレイヨ)と仲睦まじい日々を送っていた。しかしある日、謎の組織に襲われ、最愛の妻を失い、自身も全身麻痺の重症を負ってしまう。失意の中、巨大企業の科学者からある提案をされる。彼の目的は、実験段階にある「STEM」と呼ばれる最新のAIチップを人体に埋めることだった。手術の結果、グレイは再び体を動かすことができるようになる。そればかりか、「STEM」に身をゆだねると人間離れした動きができるようになり、人間を超越した身体能力を手に入れてしまう。さらに、「STEM」は頭の中の相棒としてグレイと対話するようになる。身体能力を<アップグレード>されたグレイは手に入れたこの力を駆使して「STEM」と共に妻を殺害した組織に復讐を誓うのだがー。

 (公式サイトより)

 

upgrade-movie.jp

 

公式ページには「ハイディメンションSFアクション!」とか「男はAIで進化する」みたいなわかるようなわからないような言葉が記載されています。

 

▼以下ネタバレ感想

時系列を簡単に書くと、

奥さんと車に乗ってて事故→奥さん死亡。主人公は四肢麻痺→大富豪にステムというAIを埋め込まれ、超人的な動きができるように→犯人を追うことに→犯人確保(殺害)→最終、本人はAIに体を乗っ取られる。

という流れです。

 

私はてっきりステムを発明した大富豪のエロンが黒幕なんだろ? と思っていましたが、エロンもステムに操られていたのは予想できませんでした。実は冒頭の自動車事故もステムに仕込まれていた、というのがわかります。

 

個人的に好きだったのが、

途中でVRに興じる人々(廃人?)のシーンが出てきて、「あっちの世界の方が痛みがなくていいみたい」的なセリフ。案の定、ラストシーンでは主人公はあっちの世界で幸せに暮らしているわけです。ここは意見が分かれるところ。正直どっちが幸せなのかわからないです。現実世界で掴めるとはわからない幸せに向かって心穏やかでなく頑張るのか、頑張ることなく心穏やかに現実ではない幸せを手にするのか(本人にとっては現実になっているけれど)。

 

「ミッション8ミニッツ」とか「トータルリコール」とか他にも思い出せば色々出てきそうですが、新しそうで、新しくない。どこかで既視感がある話でした。

すごいけど、すごく感じない/ターミネーター ニューフェイト

公開初日に行ってきました。

 

チケットを購入するにあたって「ターミネーターの続編には期待してはいけないんだ。だって・・・」という気持ちと、「いやリンダハミルトン出ているし、期待しても良い」という気持ちがない交ぜになりながらも、ジェームズキャメロンも製作総指揮だし(期待して良いだろう)ということでチケットを買った。

 

ここまで迷うのは過去作を超えた続編はEnd of シリーズ、そしてこのT2くらいだと思うからだ。事実T2以降のターミネーター作品を全て観てきたが、超えてはこなかった。

 

劇場ではビールを買いたかったけど、ビールを飲んでしまっていいのだろうか。作り手に真摯に向き合わないといけないんじゃないか、などという脳内会話を終え、ビールを購入せずに館内にチェックイン。

右側後方に陣取り、長ったらしい広告とワクワクを煽る予告が終わると本編がスタート。

 

上映が終わる。なんとも言えない気持ちになる。

ネタバレになるので詳細は書かない。

簡単にいうと、すごいんだけど、すごく感じないのだ。アクションもド派手だし、伏線も貼ってあるし、クスッと笑える要素もある。ただ、どこかで観たような内容で、ターミネーターである必要がないというか、なんで作ったのだろうか、という気持ちになってしまった。

 

帰りのトイレで「やっぱT2がすごすぎたんだよね」と私より20歳くらい上のおじさん同士が話をしていた。確かにT2がすごすぎたのかもしれない。

私はふと、なぜキャメロンは制作に関わったのだろうか。という疑問を抱いた。

彼はこれで納得したのだろうか。

祈りとはなんなのか/ホテル・ムンバイ

公開から1ヶ月がたとうとする週末に鑑賞。20名ほどの男女が席を埋める。

 

▽ストーリー

インドの巨大都市ムンバイに、臨月の妻と幼い娘と暮らす青年アルジュン(デヴ・パテル)は、街の象徴でもある五つ星ホテルの従業員であることに誇りを感じていた。この日も、いつも通りのホテルの光景だったが、武装したテロリスト集団がホテルを占拠し、“楽園”は一瞬にして崩壊する。500人以上の宿泊客と従業員を、無慈悲な銃弾が襲う中、テロ殲滅部隊が到着するまでに数日かかるという絶望的な報せが届く。アルジュンら従業員は、「ここが私の家です」とホテルに残り、宿泊客を救う道を選ぶ。一方、赤ん坊を部屋に取り残されたアメリカ人建築家デヴィッド(アーミー・ハマー)は、ある命がけの決断をするのだが──。(公式サイトより)

www.youtube.com

 

2008年にムンバイで起きたテロ事件を描いており、事実に基づいた映画。

10件のテロが同時多発的に発生し、そのうちの1件が本作の舞台となったタージマハル・ホテルであった。

ja.wikipedia.org

 

▽感想

手に汗握る、息もつけない。といった表現ががっちりと当てはまる作品。

まるで自分がそこにいるかのような気持ちになる。

 

▽こんな映画が好きな人におすすめ

ユナイテッド93クーデター

 

▽以下伏線ネタバレ

①伏線1 「祈りなんて無意味」

テロ発生後、登場人物の1人であるザーラが母と電話するシーンの会話で、

「祈りなんて無意味」と言う。それに対し母は「祈りは助けになる」と言う。

そしてラスト付近、外国人が1人ずつ射殺されるシーンで、顔に銃を突きつけられたザーラは祈る。

結果的に、彼女は助かる。

 

②伏線2 「祈りは全ての元凶」

ロシア人ビジネスマンのワシリーが「無事を祈っています」と言うホテル関係者に放つ一言。

彼はのちに元ソ連軍の将校だと判明する。結果「アフガニスタンの報いだ」と射殺される。

射殺時は拳銃だったが、テロリストが最初から使い続けるAK47ソ連軍の兵器でアフガニスタンの戦争で利用したもの。

皮肉が効いている。

 

信頼関係の映画/ハンターキラー潜航せよ

レイトショーで鑑賞。客層は20代と40代後半の会社帰りと思しきカップル。

50代夫婦、50代男性3名、私の合計8名。

 

結論から言うとこれは信頼の映画である。

信頼関係がひたすら築かれる様、築かれた信頼関係に助けられる様を120分間、

中弛みなく、2回も前のめりになりながら、楽しめる良作だ。

 

「そこは音だけが見える戦場」というキャッチコピーがめちゃかっこいいし、

海外版のも「START A BATTLE TO WIN A WAR」って書いてあったので、戦闘押しの展開を想像させている。が、映画の焦点がそこじゃなかったと感じた。

ハンターキラー潜航せよ

ハンターキラー潜航せよ



ストーリーは簡潔で、ロシアの悪い奴をアメリカの良い海軍とロシアの良い海軍が協力して倒す、というもの。

攻撃型原子力潜水艦ハンターキラー×ネイビーシールズが強力タッグ
呼吸音すら命取りの深海で、ミッションを遂行せよ。
ロシア近海で1隻の米海軍原子力潜水艦が姿を消した。ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜“ハンターキラー”は捜索に向かった先で、無残に沈んだロシア原潜を発見、生存者の艦長を捕虜とする。同じ頃、地上ではネイビーシールズ精鋭部隊の極秘偵察により、ロシア国内で世界を揺るがす壮大な陰謀が企てられていることが判明する。(公式サイトより)

「そんなS級の技、本当にできるのかよ??」と、思わずツッコミたくなるシーンはいくつかあるわけだが、それでも最後は目頭が熱くなる「信頼関係」を観ることができる。

派手な爆発も銃撃もあるわけだが、信頼関係を築くための1対1の対峙シーンがそれなりに多い。

副長と艦長、特殊部隊の隊長と新人、NSA職員と統合参謀本部少佐、アメリカとロシアの艦長同士・・・。

状況が状況だけにほぼ全員思ったことを口にするが、これがまた無駄がなくて良い。信頼を築くにはお互いに腹を割って話をするのが大切だと言うことだろう。と勝手に思った。

ドンパチだけじゃない、信頼の映画が「ハンターキラー潜航せよ」の正体。

15時17分、パリ行き/君はAKに突撃できるか?

この映画を一言で言うと、「そんなことあるわけない」の連続なんです。

映画としてみたら興ざめシーンで成り立たない。でも実話なんです。

事実は小説より奇なりと言った人をあらためて尊敬する、そんな映画です。

 

実話の映画化なのですが、リアルタイムでニュースを読んでおり、
「パリ行き列車に米兵が居合わせて未然に防ぐという」まさに映画のような話で、当時は「そんなことあるのか」と驚いた記憶があります。日本で海外の兵隊さんが偶然電車に乗り合わせて、テロを未然に防いだと考えると奇跡のように思えます。
それから少し経ったころに「クリント・イーストウッドが映画化」という記事を見かけました。
そのまた後に「知るべきではなかった本作に関する情報」を知ってしまうのです。

1行目に書いた理由以外でなぜ観に行ったのかというと、
「実話ベースの話をどうやって引き伸ばすのか」というのを観てみたかったからです。
尺自体は94分と長くはありませんが、実際の出来事はそんなに長くはなかったと記憶していました。

映画自体はテロを防いだ3人の主人公たちの幼少期から始まり、成人してからはロード・ムービーになります。幼少時はなぜか「バタフライ・エフェクト」を思い出しながら観ており、ロード・ムービーは「ビフォア・サンライズ」のようで楽しめました。途中途中に列車のテロシーンを挿入してきます。
「これ、ロード・ムービーじゃないよ」というクリント・イーストウッドからのメッセージだと思って観てました。


幼少期の主人公たちは優秀というより問題児扱いをされていました。3人のうちの1人、スペンサーは進行があるようで「私を平和の道具として使って下さい」と祈っているシーンがあります。
スペンサーとスカラトスの2人は軍隊に入隊しますが、事件で活躍したスペンサーは本来なりたかった「パラレスキュー」という仕事には就けません。軍隊でも落第した人が集まる部署に入隊させられます。そこでもいまいち評価を受けません。にも関わらず、事件を防ぐわけです。

 

旅の最後に訪れる列車シーンは圧巻でした。なぜかっていつの間にか彼らと旅をするその列車の乗客気分になっているからです。その前に流されているロード・ムービーが効いているんだと思います。「ビフォア・サンライズ」のようなカップルのストーカー的視点ではなく、4人目の友達的な視点なのでなおさらです。
まず最初にAK47持ったテロリストに立ち向かった最初の人に拍手を贈ります。咄嗟のこと、ではありますが、逃げるって言う選択肢もあったと思うんです。でも立ち向かう。これは少なくとも私にはできることではないです。で、背後から拳銃で銃撃を受けます。慌てて逃げ惑う人たち。
そして3人、というか実施的にはスペンサーの出番です。
奇跡その1
突進したスペンサーに銃を向けますが、AKがジャムって弾がでなくなります。
これはもはや奇跡です。でもね、AKに突撃できます? しかも列車の中ですよ。通路1本しかないよ。外しようがないやん。座席なんて余裕で弾貫通するし、とかって考えて絶対動けないと思うんですよ。でもね、スカトラスの「いけスペンサー!」的な掛け声で突進するんです。これほんとすごい。心臓が少し止まった。映画なら「そんなことあるわけない」なシーンですが、事実なんですよね。
奇跡その2
で、もみ合ったタイミングで重なるように座席の上に倒れ込みます。下になったスペンサーの頭に向けて、テロリストが拳銃を突きつけて引き金を引くのですが、直前に何か外れたのか、はたまたジャムったかでまた弾が出ない。こんなことありますか。「あー、スペンサー死んだなー」となるところで死なない。これも映画なら「そんなことあるわけない」なシーンですが、事実なんですよね。
奇跡その3
犯人はナイフでスペンサーのクビを切りつけ始めます。何度も何度も執拗に切りつけてきますが、頸動脈は無事でした。

スペンサーにとっては3つの奇跡が重なったというわけです。
乗客にとってはスペンサーがいたという奇跡。「奇跡4つ入りましたー!!」的にここまで奇跡が重なると奇跡の暴落が起きそうです。

そしてオランド大統領に表彰されるんですけど、ここで冒頭で話しをした、私が「知るべきではなかった情報」を知らない人は1,800円の鑑賞券のうち、800円分くらいの驚きを味わいます。
なんと映画に出ていたのは本人たちなのです。私はニュースで知っていました。だから1,100円で観れる映画の日に観に来たんです。
みんなフランスで表彰され、アメリカでもパレードを受けます。こういうみんなで褒め称える感じいいなーと、サドラーはラッキーだな!という感想を持ちつつ映画が終わります。