忘れやすい日々のための映画ブログ

忘れっぽいので、過ごした日々・趣味の時間を大切にしていきます。

夢を叶えるということ/ザ・ウォーク

ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演。
という点ではなく、予告編が圧倒的に高所恐怖症の僕を刺激した。
自分では絶対に行って観ることができない高さの景色を見せてくれる。そんな点に惹かれて鑑賞。
「きっと映像美だけで、ストーリーなんてないんだろうな」と思っていた(実話だとも知らずに)。

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(写真は公式HPから抜粋)

ストーリー
1974年、当時世界一の高さを誇ったワールド・トレード・センター
その高さ411m 地上110階の道なき空間をワイヤーロープ一本でつなぎ、命綱なしの空中闊歩にある一人の男が挑んだ。その男とはフィリップ・プティ。この伝説の男プティ役に『インセプション』で注目された若手実力派俳優、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じる。
監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』そして『フォレスト・ガンプ/一期一会』『キャスト・アウェイ』『フライト』などで知られるアカデミー賞監督ロバート・ゼメキス
常に〝最先端のVFX技術”を活かした映像で世界中を驚きと感動で魅了してきた監督の、本作は〝集大成”であり〝最高峰”となる迫力あるビジュアルになることは間違いない。この男の挑戦は実話であるが、なんと映像には残されていない。
まさに実話を完全映像化したといえる本作。この映像は、誰もが<100%未体験>である。なぜなら、この体験をした人間はフィリップ・プティ、世界でたった一人だけなのだから――(公式ページより抜粋)

www.youtube.com

 

結論、顔を覆いながら、頭を抱えながら、観ました(良かった)。
私は3Dで観たので、2Dがどんなものかわからないが、観るなら3Dが良いかもしれない。物語としての奥行きもそうだが、景色が多いので、映像の奥行きがある程度楽しめるようになっている。

 

▼この映画から学んだ教訓は、
①夢と出会うのはひょんなことから
⇒小さい頃から色々なことに好奇心を持ったほうが良い
②夢の実現のためには誰よりも強い想いが必要
⇒周囲に「おま、ちょ、バカじゃん!」「出来るわけないじゃん!」といわれても「バカはお前らだ!やってやる!」と思える気概をもてる夢
③早くから実行し、時間と金を全て注ぎこむ
⇒ただし独力では限界があるので、
④良い師に出会うこと
⇒本作の主人公は経験豊富な師に出会えてラッキーでした
⑤用意周到に計画すること
⇒決めたらその日までにやりぬく。怪我しようが病気しようが絶対やる。当日の準備は一歩間違えば死ぬかもしれないのでより周到に。
⑥成功したら魅せつけまくること、そして成功の最中にイノベーションしまくること
⇒主人公は綱渡りに成功したのに、そこを何度も往復します。満足しない。魅せつけまくる。かがんだり、寝たり、イノベーション
⑦仲間を見つけること。周囲に感謝すること。
⇒仲間があってこそです。夢の実現×仲間の数だけ喜びがあるようです。

 

本日1月24日の読んだ柳井正氏が早大で講演した内容がモロに主人公の動きとリンクしていました。怖すぎるくらいに。

toyokeizai.net

以下サイトより抜粋。


「人間の能力のピークは25歳だ。一生は一回しかない。みなさんいつかは確実に亡くなる。そのときまでに何が出来るか。未来に向けて何ができるか。それを考えることが起業家として成功する要因だ。世界中にチャンスがあふれている。人と違ったことをして欲しい」


「どんな仕事でもスキルをつけるには、毎日寝る暇を惜しんでも10年ぐらいはかかる。それでも、一番早くスキルがつく方法は自分で事業をすることだ。わからないことがあれば、事業をやっている人に聞いたらいい。」


「経営者はだれよりも高い目標を持たないとダメだ。低い目標だと絶対成功しない。100メートルを9秒9で走ろうと思う人しか、そのように走ることはできない。100メートルを13秒で走ろうと思っていてはできない。」

「(中小やベンチャー企業では)多く辞めるのが普通。10人が入ったら8~9人は辞める。ただし、見込みがある人には将来こうなろうとか、夢を語らないといけない」

 

 

以下刺さったシーン(ネタバレ)
▼逃げたり、言い訳したり絶対しない
綱渡りの2週間前に主人公フィリップは足で釘を踏み抜きます(超絶痛すぎシーンでここだけR15だろうなというシーン)。
彼女は「延期しよう!」と言いますが「2週間あれば治る。俺はやる」と。
周りも不安だけど、一番不安なのは絶対当日に歩く本人だと思うんです。だって間違ったら即死するのは自分。だからちょっとした言い訳を見つけてやめることだって出来たはず。でもやめない。絶対やめない。
身体を支える、あのほっそいロープの上で身体を支える唯一の存在が血だらけなのに、やめない。
こんくらいだよなあ、と思いました。このくらい強い意志持ってないと無理だなと(同時にバカと天才は紙一重だとも思ったことは内緒)。

 

▼女性を口説くには意外性と夢
このフィリップ、村上春樹の登場人物同様に彼女と出会ったその日に寝ます。フランス人てみんなこうなのかな。普通なのかな。
彼女との出会いのシーンでは、気を引くためにすぐ近くで綱渡り⇒彼女の観客を奪う(彼女はシンガーソンガー)⇒軽く口論(と見せかけこちらのペースへ引きずり込む)⇒唐突に雨が降ってくる⇒近隣のCAFEの2mサイズのパラソルを強奪し相合傘⇒「一杯のみに行ってくれたら、もう近くで大道芸はやらない」と口説く⇒一緒に飲む(飲むのかよ!しかも楽しそう!)。大いに夢を語る⇒(なぜか)フィリップの家にいる。語る。⇒キス、、、というように口説くシーンがすごい。というわけで何が言いたいかというとパラソルの中で会話を成立させた時点で勝負は決していた。ということです。
あのビーチとかで使うようなどでかいのを持って追いかけてきたら「こいつ頭おかしい」か「こいつ面白い」のどちらかで、
それはフィリップにとっても「洒落の通じる相手かどうか」の踏み絵?のような役割を果たしていたのかもしれません。

 

▼仲間を見つける
劇中では「共犯者」と呼んでいたが、夢の実現のために、もうドラクエみたいにどんどん仲間にしていく。

高所恐怖症なのに、仲間になっちゃったジェフがどんどんレベルアップしていく姿には感動。最後はワールド・トレード・センターの手すりを越えて主人公をフォロー。
仲間たちは(逃げ出すのもいたけど)警察に逮捕されても、命を懸けても、誰も実現していない夢のために、フィリップのために人生の一部を捧げていた。
人の熱量って、人の行動やボトルネックをいとも簡単に変えちゃうんだなあ-と。
成功&釈放後の仲間たちとの祝杯は最高においしそうだった。

彼らは人生において酒の肴には事欠くことはないでしょう。

 

 ▼彼女との別れ

フィリップが成功してこの先も彼女と一緒に過ごすのかとおもいきや、

「次は私が夢をかなえる番」とフランスへ帰国することに。

「また会えるかな」のフィリップの問いかけに、「さようなら」と一言。

真摯に夢を追いかける仲だからこその別れもあるのかと切なくなりました。