忘れやすい日々のための映画ブログ

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「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所

簿記を勉強していなくても、3表の繋がりがわかるという優れ本。

Amazon.co.jp: 超図解「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所: 國貞克則: 本


実は、2009年の名古屋時代の先輩に「これ読んでおけばOK!」と教えて頂いた本。
減価償却費」って何??なんでPLでマイナス計上しているのに、
CSではプラスして、またマイナスするの??といった基本を教えてくれます。
ただ当時の私は引っかかり(思い込み)が強すぎて、読みきれませんでした。

2009年から6年?!の社会人経験を経て再読。すーっと理解できました。
簿記の勉強をひと通りしたのもありますが。特に良かったのはパート3の箇所。

図を用いて、財務3表を読めると何がわかるのか、どうやって読むのかを教えてくれます。BSとPL内の資産、負債、利益、費用、純資産の配置だけわかっていれば読めます。

 

財務3表を読む理由
事業の実態を把握するためです。
ではどうやって把握したら良いかというと下記の指標(一部)を使います。
総資本回転率(売上高÷総資本)
→少ない資本投下で高い売上を作れる企業かどうか判断。目安は1回転。
自己資本比率(純資産≒自己資本÷総資本)平均は35%。10%以下は危険。
→「純資産は返さなくて良いお金」で構成されている。たとえば株式の払込、利益剰余金。
この比率が高い、ということは安全な資金調達ができている。
さらに純資産内の利益剰余金のウェイトが高ければ、過去の業績が良い。
また赤字額=利益剰余金のマイナスが資本金を上回っていると純資産の部がマイナスになり債務超過状態。
・有利子負債倍率(有利子負債÷自己資本0.4倍以下は優良。2倍以上は危険。
→返済しなくて良い自己資本と同じ有利子負債がある状態が倍率1。

CSの状況を見ることで、会社の戦略が見える
例えば、営業、投資、財務CSがすべて+であれば、
「営業活動で現金を作り、借り入れもしている。さらに固定資産や有価証券の売却も実施。
将来の大きな投資のための準備をしている」ということが推察できる。
営業と財務がプラスで、投資がマイナスの場合は
「営業活動で現金を生み出し、借り入れもしている。
将来の戦略に向けて積極的に投資もしている。優良企業」というのがわかる。

自分が投資家や債権者だったらどう見るか
ROA=営業利益÷平均総資産(期首と期末の資産)
→総資産を使ってどの程度利益を上げているか
ROE当期純利益÷自己資本
自己資本は株主のお金。利益剰余金から配当金が支払われるので、
株主にとっては当期純利益が重要。
デットキャパシティレシオ=有利子負債÷(現預金+有価証券+固定資産)
→倒産しても貸し倒れしないで元金回収可能かどうかの数値。
債務償還年数=有利子負債÷(減価償却費+営業利益)1.5年以内優良、10年以上危険
→キャッシュで有利子負債をどの程度の期間で返済できるかの数値

BSとCSを見て経営を
売上債権回転率=売上高÷売上債権 6回以上が理想、3回以下は危険
→債権の回収期間を短くするなど努力をすれば回転はあがる
棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産 流通業は20回以上は適正で10回以下は危険
→無駄な在庫資産を持たないように努力する

PLには借入金の返済額は出てきません。
よってPLだけ見ている人は、利息の支払いのために経営をしているなんてことも。
それを脱するためには、BSとCSを見て、返済計画を建てる必要があります。
P159以降で経営改善シュミレーションをしてくれています。
ただ売上と経費を5%ずつ調整しています。達成しなければいけない数字ですが、
切り詰めている企業はどうにもならないなと。ここはまた別の話ですが。。。

これをベースに財務会計をもう少し勉強していきます。